「水泳の試合前に食べるべき食事を知りたい」
水泳の試合前になると、このような悩みが出てくるかもしれません。
水泳の試合で最高のパフォーマンスを発揮するためにはしっかりとコンディションを整える必要があります。
コンディションにとても大きく関わってくるのが、食事です。
試合前の食事を間違えると、試合で思っていたように力が出せず、入賞を逃すこともあります。逆に試合前の食事をしっかり整えることで、試合で最高のパフォーマンスを発揮しベストを出すことができます。
水泳選手は、試合前にはどのような食事を食べればいいのでしょうか。スポーツ栄養学的観点から解説していきます。
水泳選手が特に食事を意識すべき試合前の期間は?
水泳選手なら普段から食事内容を意識しているかもしれませんが、試合の前になると、特に食事に気を使うようになると思います。
試合前には、試合前に適した食事内容というものがあります。しかし、この食事をいつから始めればいいのかは、あまり意識していないかもしれません。
漠然と「試合前」に食事を意識するのではなく、「試合の◯日前」のように、具体的に期間を決めて食事を意識してあげた方が、パフォーマンスを向上させやすいのです。
水泳選手の場合、試合の1週間前から食事内容を変えてあげると良いです。
それでは試合の1週間前から、どのような食事を食べればいいのでしょうか。詳しく解説していきます。
水泳選手の試合前の食事で重要なのは糖質
水泳選手が試合前に必ず食事で意識的に摂取すべき栄養素は、糖質です。糖質は身体を動かす主要なエネルギー源です。
身体に糖質を蓄えるための食事法は「グリコーゲンローディング」と言われますが、水泳選手もこの方法を実践することで、パフォーマンスを向上させることができます。
それでは、水泳選手が試合前の食事で糖質を意識すべき理由や、どれくらいの量の糖質を摂取しなければならないのかを紹介していきます。
糖質は身体を動かすエネルギー源
他にも脂質やクレアチンリン酸という物質も身体を動かすエネルギー源となりますが、水泳は1〜2分で試合が終了する上、とても高い強度の運動を持続しなければなりません。
そのような運動の場合は、糖質がかなり多くエネルギー源として使われるのです。
100mや200mのレースの後半になると、身体が重くなって動かなくなることがあると思います。実はこれも糖質が少なくなることが原因の1つとして考えられています。
よく「乳酸が溜まった」なんていう表現がされますが、実は乳酸は疲労物質ではないことが分かっています。
また、乳酸は糖質から作られて、体内で再利用できるエネルギー源だということも分かっています。
とにかく糖質は水泳選手が身体を動かすためにとても重要な栄養素で、試合前の食事でしっかり摂取しなければならない栄養素です。
水泳選手の試合前の糖質摂取量は?
水泳選手は試合前の食事で、どれだけ糖質を摂取しなければならないのでしょうか。
水泳選手が試合前に食事から摂取すべき1日の糖質量は、体重1kgあたり10gです。
例えば体重が60kgの選手の場合、1日に糖質を600g摂取しなければなりません。
お米1合で糖質が115g含まれているので、体重60kgの人は、試合前にはお米換算でいくと、1日で5合と少し食べなければなりません。
3食の中で均等に糖質を摂取してあげて、1日のトータルで5合と少しになるように調節してあげるとベターです。
試合前にこれだけの糖質を摂取できているでしょうか?かなり多い量なので、まずは今の食事でこの量をクリアできているか、確認してみてください。
1週間前から試合の前日までは、糖質をこれだけの量クリアできるように意識しましょう。
水泳選手が試合前に意識すべき食事のバランス
水泳選手が試合で最高のパフォーマンスを発揮するためには、食事の中でも糖質が特に重要です。
しかし、糖質だけでなく他の栄養素のバランスも意識する必要があります。糖質以外に食事でどのようなことを意識すればいいのでしょうか。
PFCバランスを意識
PFCバランスとは、3大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)の3つのエネルギー比率のことを言います。
つまり、糖質から何kcal、脂質から何kcal、たんぱく質から何kcal摂取したのか、その割合を表します。
水泳選手が試合前に目指すべきPFCバランスは、糖質 : 脂質 : たんぱく質 = 70 : 15 : 15です。
体重60kgの水泳選手の場合、糖質は1日に600g摂取しなければならない、ということは先ほどお話しました。糖質は1gあたり4kcaなので、糖質からのエネルギー摂取量は2400kcalです。
これが全体の70%なので、全体で約3430kcal摂取する計算になります。
脂質は1gで9kcalなので、約57g、たんぱく質は1gで4kcalなので約130g摂取するという計算になります。
数値を見てもあまりピンとこないかもしれませんが、糖質やたんぱく質の摂取量は結構多いのですが、脂質の摂取量は最低限に留めないとこの数値はクリアできず、今の食事で本当にクリアできているかどうかは、一度しっかり確認しておいた方が良いです。
ビタミン・ミネラルを意識
水泳選手が試合で最高のパフォーマンスを発揮するためには、ビタミンやミネラルも欠かせません。試合前の食事でもビタミン・ミネラルを意識して摂取しましょう。
水泳では糖質が身体を動かす主なエネルギー源になると話しましたが、糖質がエネルギーとして使われる際には、ビタミンB1が補酵素(糖質を代謝する酵素を助ける栄養素)として働いています。
そのため、糖質だけでなくビタミンB1も補わないと糖質を身体で使えるようにならないのです。
また、ビタミンB6は筋肉や酵素などの合成に関わっていますし、ビタミンC・Eは活性酸素といって、体内の酵素やDNAを傷つける物質を除去する働きがあります。
ミネラルも重要です。鉄分は体内で酸素を運搬する働きがあり、不足すると貧血になります。ナトリウム・カリウムは細胞の電気信号の伝達に関わっている栄養素です。亜鉛は活性酸素を除去する酵素を構成するミネラルです。
このように、ビタミン・ミネラルは身体の働きを調節する役割があるので、水泳選手にも欠かすことができない栄養素です。試合前にもこれらの栄養素は重要ですし、普段の食事からビタミン・ミネラルが不足しないように意識的に摂取しましょう。
試合前に摂取しておくことでパフォーマンスが向上するサプリメントもあります。
水泳選手が試合前に積極的に使用したいサプリメントもまとめているので、参考にしてください。
水泳選手が試合前の食事で避けるべき食べ物
ここまでは、水泳選手が試合前に摂取したい食事について紹介してきました。
実は、試合前に食べてはいけないNGな食事などもあるので、水泳選手が試合前に食べてはならないNGな食事を紹介します。
脂質の多い食品
脂質は消化吸収が遅く、胃や腸に負担がかかります。そのため、揚げ物や油をたくさん使った炒め物などは控えめにしておきましょう。
どうしても揚げ物を食べたい場合は、衣をつけずに素揚げにする、食材を大きくカットする、といった工夫をすることで、脂質の摂取量を抑えることができます。
また、豚バラ肉などはたんぱく質も多く含まれていますが、脂質も多く含まれています。お肉などはしっかり焼いてから食べたり、グリルにしてあげたりすると、脂質の摂取量を抑えることができます。
生もの
試合前には、生ものは避けてください。
生ものには細菌やウイルスなどが含まれています。スーパーなどで販売されているものは、しっかりと衛生管理がされているので大丈夫ですが、万が一食中毒になってしまうと、試合に出られなくなってしまいます。
特に遠征先だとつい回転寿司なんかを食べたくなりますが、NGです。コンビニのおにぎりなんかにも生ものが使われているものもありますので、そうしたものは避けてください。
また、自宅で調理する場合も、お肉やお魚はしっかり火を通して調理するようにしましょう。
普段からお腹を壊しやすいもの
当然ですが、普段からお腹を壊しやすい食品も控えるようにしましょう。
例えば乳糖不耐症と言って、牛乳に含まれるラクトースを分解することができずに、牛乳を飲んだらお腹がゴロゴロする、という方がいます。
もし牛乳を飲んだらお腹がゴロゴロするというなら、試合前は牛乳を控えましょう。
また、食物繊維が多く含まれる食品を食べるとお腹が張ってしまうという方もいます。そうした方は食物繊維の多い海藻類やキノコ類は避けてください。
普段の食事で、「これを食べたらちょっと体調が悪くなる」という食材は全て排除するようにしましょう。
水泳選手のパフォーマンスは試合前の食事で決まる!
今回は、水泳選手が試合前に食べるべき食事内容について詳しく解説してきました。
水泳では糖質がメインのエネルギー源として使われています。そのため、体内に糖質をたくさん蓄えるための「グリコーゲンローディング」を実践しましょう。
その他にもビタミンBなど摂取しておきたい栄養素は他にもありますし、食べてはいけない食事もありました。
試合でタイムを出せるかどうかは、試合前の食事にかかっています。試合前には計画的に食事を摂取できるよう、前持って準備しておき、自分の中で試合前の食事を確立させることが大切です。
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