筋トレの効果を高める最適なプロテインの摂取タイミングを徹底解説!

筋トレの栄養摂取戦略

 

筋トレ中の栄養について調べていると、

 

「プロテインっていつ飲めばいいの?」

「プロテインを飲むタイミングで効果は変わってくるの?」

 

なんていう疑問が出てくると思います。この記事では、プロテインはいつ飲むのが理想的なのかを、科学的知見をもとに解説していきます。

 

 

 

この記事を書いた人
中野 卓|スポーツ栄養サポーター

スポーツ栄養サポーター
東京大学総合文化研究科卒業
大学まで20年間競泳選手として活動。
現在はアスリートを中心に栄養サポートを行っている。

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筋トレでオススメなタンパク質摂取のタイミングは?

 

筋トレの効果を高めるためにオススメな、プロテインを摂取するタイミングは次の3つです。

 

 

1, 筋トレ前

2, 就寝前

3, 朝起きた時

 

 

どうしてこのタイミングがオススメなのでしょうか。

 

 

筋トレ前

 

 

よくトレーニング後にプロテインを摂取している方を見かけますが、プロテインは実はトレーニング前に摂取した方が、筋トレの効果を高めてくれます。その理由は、プロテインの消化吸収にあります。

 

プロテインに含まれているタンパク質は、は飲み終わってから胃や小腸でアミノ酸にまで消化され、その後小腸から体内に取り込まれ、筋肉に届けられて筋肉の材料として使われます。

 

このような段階を経るため、プロテインを飲んだからといって、すぐには体内で筋肉の材料として使われません。

 

様々な種類のプロテインを摂取してから体内に吸収されるまでに、どれだけ時間がかかるかを調べた研究が行われています。その研究によると、ホエイプロテインの場合、血中のアミノ酸濃度がピークに達するのに40〜60分ほどかかることが報告されています(Vangsoe et al., 2018)。

 

 

 

血中アミノ酸濃度は、プロテインを摂取してから90分ほどは高い水準を維持しています。

 

つまり、筋肉の材料として摂取したプロテインが使われるのは、プロテインを飲んでから60〜90分後くらいになります。

 

筋トレを行った直後は、筋肉の合成速度が上昇しますが、トレーニング前にプロテインを飲んでおくと、筋肉の合成速度が速い時に素早くプロテインから摂取したタンパク質を材料として使うことができます。

 

 

 

就寝前

 

 

寝る前に40gのカゼインプロテインを摂取することで、寝ている間の飢餓状態を防ぎ、筋肉を増やすことができるので、就寝前もプロテインを摂取したいタイミングです。

 

筋肉は常に合成と分解を繰り返しています。筋肉を増やすためには、筋肉の合成を高めることも大切ですが、筋肉が分解されるのを防ぐことも大切です。

 

寝ている間は何も食べることができないので、体は絶食状態に陥ってしまいます。体が絶食状態に陥ると、筋肉の分解が進んでしまうのです。

 

寝ている間の筋肉の分解を抑えるのが、就寝前のプロテインです。寝る前にプロテインを摂取することで、寝ている間にゆっくりと体内にタンパク質が吸収されていき、体が飢餓状態になることを防いでくれるのです。

 

 

実際に寝る前にタンパク質を摂取することで、筋肉の合成が増加することが報告されています(Trommelen J and van Loon LJC., 2016)。

 

この研究によると、20g程度のプロテインだと効果はなく、寝る前に摂取するプロテインの量は40gが推奨されるとしています。

 

またプロテインの種類については、カゼインプロテインを推奨しています。カゼインプロテインは消化吸収がゆっくりなのが特徴です。

 

寝ている時間は6〜8時間と長いので、ゆっくりと時間をかけてタンパク質を消化吸収し、継続的に筋肉の材料となるアミノ酸を供給してくれた方が、寝ている間に体が飢餓状態になりません。

 

カゼインプロテインにはそのような特徴が備わっているので、寝る前にぴったりのプロテインなのです。

 

まとめると、寝る前に40gのカゼインプロテインを摂取することで、寝ている間の飢餓状態を防ぐことができます。

 

朝起きた時

 

夜寝ている間は、何も食べることができません。寝る前にプロテインを飲んでいても、どうしても朝は体がタンパク質を欲しています。

 

筋肉の分解をストップさせるためにも、朝起きた時にもしっかりプロテインを摂取したいです。

 

朝は固形物が喉を通りにくいかもしれませんが、プロテインだと液体なので飲みやすいですね。

 

 

理想的なプロテイン摂取タイミングは?

 

 

プロテインを摂取するタイミングとして、最も推奨されているのは、3〜4時間おきに20gのプロテインを摂取する、というものです。

 

こちらも研究が行われています。トレーニングを行った後12時間の間に、プロテイン40gを2回(Bolus)、20gを4回(Intermediate)、10gを8回(Pulse)摂取する3つの群に分け、どのグループが最も筋肉が合成されるのかを調べました。

 

 

 

その結果、20gを4回摂取するIntermediate群が最も筋肉の合成速度が高かったことが報告されています(Areta et al., 2013)。

 

 

 

国際スポーツ栄養学会のガイドラインでも、タンパク質を3〜4時間に1回摂取することが推奨されています(Kerksick et al., 2018)。

 

 

タンパク質摂取のタイムスケジュール

 

筋トレの効果を高めるために意識したいプロテインの摂取タイミングをもう一度まとめると、次のようになります。

 

 

1, 筋トレ前

2, 就寝前(特にカゼインプロテイン40g)

3, 朝起きた時

4, 3〜4時間に1回

 

 

この4つのタイミングを網羅した、理想のプロテイン摂取のタイムスケジュールを組んだので、よければ参考にしてください。

 

まずは朝にトレーニングを行う方向けのタイムスケジュールです。

 

 

 

ポイントはトレーニング前の軽食とプロテイン摂取、昼から夜にかけてのプロテイン摂取です。

 

朝にトレーニングする場合、起きてすぐに体を動かすためのエネルギーを補給したいです。トレーニング前にはプロテインを摂取し、そしてトレーニングに臨みます。

 

昼食から夕食の間に時間が空くので、この間にもプロテインを摂取しましょう。

 

1回のプロテイン摂取量は20gが推奨されています。20gがタンパク質の合成を最大限に高める最適な量であることがわかっているからです(Moore et al., 2014)。

 

続いて夜にトレーニングを行う方向けのタイムスケジュールです。

 

 

 

ポイントは、トレーニング前にしっかり軽食を食べておくこと。体を動かす際には糖質がエネルギー源として使われるので、糖質の多いおにぎりやカステラなどがオススメです。

 

夜寝る前には40gのタンパク質摂取が推奨されていますが、夕食でもタンパク質を摂取できるので、プロテインからのタンパク質摂取量は20gとしました。

 

 

毎日の食事でのたんぱく質摂取が重要

 

上の例では、わかりやすいようにプロテインからの摂取でスケジュールを作成しましたが、プロテインはあくまで栄養補助食品なので、基本的には食事からたんぱく質を摂取していきたいです。

 

3食に加えて捕食もたんぱく質をしっかり摂取できる内容にできるととても良いです。

 

でもどんな献立にしたらいいの…?

 

そんな声が聞こえてきそうです。

 

そこで!

 

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こちらでは、アスリートに必要な栄養素をしっかり補えるように、どのように献立を組み立てれば毎日の食事を作ることができるのかを、1週間分の献立例を出しながら解説しています。

 

 

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しかし、そんな悩みから開放されます。

 

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参考文献

Areta JL, Burke LM, Ross ML, Camera DM, West DWD, Broad EM, Jeacocke NA, Moore DR, Stellingwerff T, Phillips SM, Hawley JA, and Coffey VG . Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. J Physiol. 2013, 591(9): 2319-2331.

Kerksick CM et al. ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations. Int J Sports Nutr. 2018; 15 (38): doi: 10.1186/s12970-018-0242-y

Moore DR, Churchward-Venne TA, Witard O, Breen L, Burd NA, Tipton KD, and Phillips SM (2014) Protein ingestion to stimulate myofibrillar protein synthesis requires greater relative protein intakes in healty older versus younger men. J Gerontol A Bio Sci Med Sci, 70, 1, 57-62.

Trommelen J and van Loon LJC (2016) Pre-sleep protein ingestion to improve the skeletal muscle adaptive response to exercise timing. Nutrients, 8, 12, 763.

 

 

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