水泳の練習中、しっかり水分補給をしていますか?
泳いでいる間はあまり感じないかもしれませんが、汗で大量の水分が出て行ってしまっています。
その状態で水分補給を行わないと、脱水症状になってしまいます。
また「喉が渇いた時にはすでに脱水状態になっている」と言われる通りで、喉が乾く前に水分補給をしなければなりません。
今回は、きつい練習を乗り切るために意識したい水分補給の3つのポイントについて紹介していきます。
水分を取らないとどうなる?
水分補給が大切ということはなんとなく理解していると思いますが、水分を取らないとどのようなことが起こるのでしょうか?
水分を摂取しないことにより、脱水症状が起こってしまうというイメージは強いと思います。
その他にも、運動パフォーマンスが低下してしまうこともわかっています。身体の水分が2%以上減少すると、明らかに運動パフォーマンスが低下するというデータが出ています(Yoshida et al., 2002)。
体重が60kgの場合だと、1.2Lの水分が失われることで運動パフォーマンスが明らかに減少します。
また水分補給をしないことで、同じ運動強度でも体温や心拍数が増加することもわかっています(Hamilton et al., 1985)。
2%の水分が失われると、同時にめまいや吐き気なども感じ、さらに脱水が進み4%の水分が失われると頭痛がしたり手足が震えてきます。
こうしたことを防ぐために水分補給はとても重要です。
水分補給の3つのポイント
それでは、きつい練習を最後まで乗り切るために意識したい水分補給の3つのポイントについて紹介していきます。
水分補給で意識したい3つのポイントとは…
2, 糖質を摂取
3, 塩分を摂取
の3つです。
この3つについて、詳しく紹介していきます。
適切な量の水分補給
練習中に全く水を飲まないという人はあまりいないかもしれません。練習中にいくらかは水分を飲んでいると思います。
しかし、今飲んでいる水分量は適切でしょうか?
今飲んでいる水分量が運動量に見合っているかどうかをチェックするのは、次の2つをみると良いです。
1, 運動前後の体重変化
2, 尿の色
運動前後の体重変化
運動前後で体重を測ったことはありますか?運動をすると体重が減っているという経験があるかもしれません。
特にダイエットをしていると、運動後に体重を測って1kg減っていたら、「1kg痩せた!」と勘違いする人も多いですが、運動後の体重変化は、ほとんどが水分によるものです。
運動によって汗が流れていき、それで体重が減っているだけです。
なので、ダイエットをしている方は運動前後の体重変化だけで痩せたと勘違いしないようにしてほしいです。
運動前後の体重変化は、適切に水分補給ができたかどうかの指標としても使えます。
運動前後の体重変化が全くなければ正しく水分補給ができています。逆に、運動後に体重が減っていたら、減っていた分だけ水分を補えていなかったことになります。
例えば運動前の体重が65kgで、運動後の体重が64kgだった場合、1kg分の水分を摂取できていなかったことになります。
その場合、次回はあと1L多く水分を摂取するように意識すると、適切な量の水分を摂取することができます。
尿の色
尿の色は、体内の水分量を知る1つの目安になります。
体内の水分量が減ってくると尿も濃縮されて、色が濃くなっていきます。しっかり水分を摂取できていると色は薄くなります。
尿の色と脱水状態については、次の図を参考にしてください。
また、運動後1時間以内に尿意を感じるかどうかも、運動中に適切に水分が摂取できていたかどうかの目安となります。
運動後1時間以内に尿意を感じない場合、運動中に水分を適切に摂取できていなかったと言うことになります。
糖質を補給
水分補給と一緒に、糖質と塩分も一緒に摂取できると、しんどい練習でも最後まで力を出し切ることができます。
糖質は運動中のエネルギー源となる栄養素なので、練習前にはしっかり補っておきたいですが、練習をすることでどんどん使われていくので、練習中にもこまめに摂取しておきたいです。
糖質は濃度が約6~8%になるように調整しておくと、素早く体内に取り込まれエネルギーとして使われることがわかっています。
次の図はそれを示したグラフになっています。横軸は糖質濃度、縦軸は溶液の胃からの排出速度を表しています。糖質濃度が10%以上になると胃から水分が出づらくなっており、胃排出速度が低下しない糖質の最大濃度が6~8%なので、この濃度が推奨されています(Michell et al., 1989)。
市販のスポーツドリンクは糖質濃度がこの濃度になるように調整されているので、薄めずそのまま飲むことで、糖質の補給において効果を十分に発揮してくれます。
自宅で調整する際は、水1Lに対して60〜80gの砂糖を入れておくと、運動中のエネルギー補給になります。
糖質がなくなってしまうと、練習中に疲れを感じてしまいます。疲れは乳酸以外にも複雑な要因が関わっています。
運動中の疲労などについては、こちらの記事も参考になるので詳しく知りたい方はご覧ください。
乳酸は疲労の原因??乳酸は疲労物質ではなかった!
運動中の疲労の原因は複雑…!細胞レベルで3つの原因を解説
塩分を補給
練習の時、水だけを飲んでいませんか?水分と一緒に塩分も補給しておくと、脱水症状を防ぎ熱中症の予防にも繋がります。
汗と一緒に体内のナトリウムも流れていってしまいます。汗で失われるミネラルのうち、3/4がナトリウムと言われています(Montain et al., 2007)。
練習で水だけを飲んでいると、脱水症状になってしまいます。汗で塩分が出ていっているのに、そこに水だけを入れてしまったら体内の塩分濃度は薄まってしまいます。
ナトリウムは、体内では神経伝達に関わっています。そのため、ナトリウムが不足すると脳からの命令が筋肉に届かず、足をつったり痙攣を起こしたりする原因となってしまいます。
ナトリウムは、体内の濃度に近い0.1%になるように調節してあげると水分もナトリウムも効率的に摂取することができます。つまり、1Lの水に1gの塩を溶かしてあげるとよいです。
練習時の水分補給を見直そう!
ここまで、練習時の水分補給で意識したい3つのポイントについて紹介してきました。
2, 糖質を摂取 → 水1Lに60〜80gの糖質を溶かす
3, 塩分を摂取 → 水1Lに1gの塩分を溶かす
この3つを意識することで、練習の後半まで粘り強く泳ぎ、練習の成果を実感して試合でも結果が出やすくなります!
逆に普段の練習をしっかり追い込めないと、練習の効果を実感できず試合でも結果が出にくいです。
毎日の練習で100%の力を出せるように、コンディションを整えて練習に臨みましょう!
毎日の食事も大切
練習時の水分補給を意識することで、練習でしっかり追い込めるようになります。それに加えて、普段の食事も意識してコンディションを整えておくことで、より充実した練習ができ、試合でもより結果を出しやすくなります。
どんな献立を作ればいいのかわからない…。
という声をよく聞きます。
そこで!
ベストを出すための1週間分の献立例を、普段の献立で意識したいポイントと一緒にまとめてみました!
献立を考える手間が省けて他のことに時間を使える
献立を考えるポイントがわかり、今後の献立作りに活かせる
こんな風に変わることができます!
気になる方はぜひチェックしてみてください!
参考文献
コメント