「痩せたいならたんぱく質!というけど、どうしてたんぱく質が効果的なの?」
たんぱく質の多い食品はパサパサしていて、あまりおいしくないかもしれません。しかし、ダイエットを成功させるためには、しっかりたんぱく質を摂取しておきたいです。
どうしてたんぱく質が大切なのでしょうか。また、1日にどれくらいたんぱく質を摂取すればいいのでしょうか。
忙しい人のための結論
たんぱく質がダイエットに必要な理由
たんぱく質がダイエットに効果的な理由は、次の3つが挙げられます。
1, 筋肉の原料になる
2, 食欲を抑制する
3, 食事誘発性熱産生が高い
それぞれについて解説していきます。
筋肉の原料になる
筋肉はたんぱく質から作られています。たんぱく質は筋肉を作る栄養素なので、しっかり摂取しておきたいです。
ダイエットをしていると、脂肪も減りますが、たんぱく質を摂取しないと、同時に筋肉も減ってしまいます。
筋肉が減ると基礎代謝が落ちてしまい、リバウンドしやすい体質になってしまうので、しっかりたんぱく質を摂取しておきたいです。
食欲を抑制する
たんぱく質は、食欲を抑えやすい栄養素です。たんぱく質がどの程度食欲を抑えるかを調べた研究があります。
脂質の多い食事(下図グレー)を摂取する群とたんぱく質の多い食事(下図黒)を摂取する群に分け、食事を摂取した後に、どのくらい食欲があるかを聞き取ったところ、たんぱく質の多い食事を摂取した群で食欲が有意に低くなっていました()。
糖質、脂質、たんぱく質が多く含まれる食事を摂取した後に、血中のホルモンを調べました。すると、食欲抑制に関わるPYYやGLP-1というホルモンの分泌が増加していることがわかりました。
この結果から、たんぱく質は食欲を抑えるPYYやGLP-1というホルモンを分泌させ、食欲を抑えるということがわかります。
ダイエットでは、食欲をコントロールすることがとても大切です。たんぱく質が多い食事を意識すると、自然と食欲を抑えることができ、ダイエットの成功に繋がります。
食事誘発性熱産生が高い
食事誘発性熱産生とは、食後に消化吸収などで胃や小腸を動かし、消費されるエネルギーのことを指します。
たんぱく質は、糖質や脂質に比べて、食事誘発性熱産生が高いことが知られています。
糖質、脂質、たんぱく質の食事誘発性熱産生は、それぞれ6%、4%、30%です。
例えば、糖質を100kcal摂取すると、その内の6kcalは熱に変換される、ということです。
そうして考えると、糖質、脂質、たんぱく質をそれぞれ100kcalずつ食べると、糖質の場合は6kcal、脂質の場合は4kcalしか消費しないのに対して、たんぱく質の場合は30kcalも熱として消費されます。
そのため、たんぱく質は他の栄養素を摂取するよりも、脂肪に変換されにくいと言えます。
こうした3つの理由から、ダイエットではたんぱく質を積極的に摂取していきたいです。
ダイエット中にたんぱく質をどれくらい食べればいいの??
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」によると、成人男性ではたんぱく質の推奨量が1日に65g、女性では1日に50gという基準が設けられています。
ダイエットをしていると、1日の摂取エネルギーを制限することが多いので、筋肉がエネルギーとして分解されやすい状態にあります。
せっかく脂肪が減っても、筋肉も一緒に減ってしまったら、基礎代謝が落ちてしまい、リバウンドする可能性があります。
筋肉を減らさなようにするためにも、「日本人の食事摂取基準」で定められているよりも10gほどたんぱく質を多く摂取した方がよいです。
つまり、男性は1日に75g、女性は1日に60gのたんぱく質を摂取するように意識しましょう。
こちらの記事では食品にどのくらいたんぱく質が含まれているのかを、詳しく解説しています。
ダイエットにはたんぱく質が必要!!
ダイエットではどうしてたんぱく質が必要なのか、どのくらいたんぱく質が必要なのかを紹介してきました。
たんぱく質は、筋肉の原料になるだけでなく、食欲を抑えたり、食事誘発性熱産生が高くエネルギーを消費してくれるので、ダイエットに効果的です。
たんぱく質は、男性は1日に75g、女性は1日に60gを目安に摂取しましょう!
参考文献
van der Klaauw AA, Keogh JM, Henning E, Trowse VM, Dhillo WS, Ghatei MA, and Farooqi IS (2013) High protein intake stimulates postprandial GLP1 and PYY release. Obesity, 21, 1602-1607.
Johnstone AM, Horgan GW, Murison SD, Bremmer DM, and Lobley GE (2008) Effects of a high-protein ketogenic diet on hunger, appetite, and weight loss in obese men feeding ad libitum. Am J Clin Nutr 87, 44-55
厚生労働省 (2020) 日本人の食事摂取基準
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