筋トレ前の食事ポイントはこれ!栄養学研究者が科学的に解説! | Sports Nutrition Lab

筋トレ前の食事ポイントはこれ!栄養学研究者が科学的に解説!

筋トレの栄養摂取戦略

筋トレをした後はしっかりタンパク質を摂取するという方が多いかもしれません。しかし筋トレの効果を最大限に引き出すためには、トレーニング後だけでなくトレーニング前の食事も非常に重要です。

 

しかし、筋トレの効果を最大限に高めるためにはトレーニング後だけでなくトレーニング前の食事も非常に重要です。

 

それではトレーニング前にはどのような食事を摂取すればいいのでしょうか。科学的根拠もお伝えしながら解説していきます。

 

 

この記事を書いた人
栄養データアナリスト 中野卓

東京大学総合文化研究科卒業
スポーツ栄養学博士前期課程修了
大学まで20年間競泳をしてきた。背泳ぎ・バタフライ専門。
現在は水泳選手を中心に栄養データから食事のアドバイスを行っている。
Twitter、Instagramでも情報発信中!!

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筋トレ前の食事・栄養摂取の3つのポイント

 

 

筋トレ前に摂取したい食事・栄養素のポイントは次の3つです。

 

 

1, 糖質を必ず摂取

2, アミノ酸を摂取

3, ビタミン・ミネラルも忘れずに

 

 

*糖質を必ず摂取

 

筋トレ前には、必ず糖質を摂取するようにしましょう。筋トレ前に糖質を摂取すべき理由は、十分にトレーニングをこなせるようにするためです。

 

トレーニング前に糖質を摂取した人、摂取しなかった人とで、トレーニングに及ぼす影響を調べた実験があります。その実験によると、トレーニング前に糖質を摂取することで、トレーニングのトータルの挙上回数(総負荷量)が増加したことが報告されています(Krings et al., 2016)。

 

 

筋肉を大きくするためには、トレーニングの総負荷量(重量 × 挙上回数)が大切です。

 

筋肉を収縮させる時には、クレアチンリン酸、グリコーゲン、脂肪の3つがエネルギー源として利用されます。

 

10秒ほどで終了する運動の場合はクレアチンリン酸がメインのエネルギー源として利用されますが、1〜2分ほど継続する運動の場合は、グリコーゲンがエネルギー源として利用されます。

 

筋肥大を目的とした場合、挙上回数は10回程で時間にすると1セットあたり1分ほどなので、グリコーゲンがメインのエネルギー源として利用されます。

 

糖質はグリコーゲンの材料なので、筋トレ前に糖質を摂取することでトレーニングに必要なグリコーゲンを蓄えることができ、トレーニングの効果を高めることができます。

 

糖質は筋肉に蓄えられるまでに2時間ほど時間が必要になるので、トレーニングの2時間前には糖質を摂取るようにしましょう。

 

 

*アミノ酸を摂取

 

ほとんどの方がトレーニング後にタンパク質を摂取しますが、トレーニング前にもタンパク質を摂取すべきです。特に、タンパク質を構成する最小単位であるアミノ酸を摂取すると効果的です。

 

トレーニング前にアミノ酸を摂取すると、30分後に血中アミノ酸濃度がピークに達し、その後3時間は血中アミノ酸が高いレベルにあることが報告されています(asmussen et al., 2000)。

 

 

アミノ酸の中でもロイシンというアミノ酸はmTORというタンパク質を活性化させ、筋肉の合成や分解を抑えることが知られています(Lang et al., 2003)。

 

アミノ酸はトレーニングの直前に摂取するのがオススメです。トレーニング直線にアミノ酸を摂取することで、トレーニング中に血中アミノ酸を上昇させることができ、トレーニング中の筋肉の分解を抑え、トレーニング後の筋肉の合成を増加させることができます。

 

 

*ビタミンB群も忘れずに

 

筋トレ前にはビタミンB群の摂取も忘れないようにしましょう。

 

トレーニング時には主にグリコーゲン(糖質)を使って体を動かすことになります。

 

糖質は様々な酵素によって代謝され、エネルギー源として使われます。ビタミンの中でもビタミンB1は、糖質を代謝する酵素の働きを助ける栄養素です。

 

また筋肉を作る際にも酵素が働きますが、その酵素の働きを助けるのがビタミンB6です。

 

見逃しがちな栄養素ですが、ビタミンの中でも得にビタミンB群は代謝に関わる酵素の働きを助けてくれるので、トレーニング前に摂取しておきましょう。

 

 

筋トレ前のオススメメ食事メニュー

 

 

筋トレ前には糖質、アミノ酸、ビタミンB群を摂取すべきですが、これらを効率的に、そしておいしく摂取できる食事メニューには、次のようなものがあります。

 

1, スタミナ丼

2, 肉じゃが

3, 卵かけごはん

 

 

スタミナ丼

 

筋トレ前には、スタミナ丼がオススメです。スタミナ丼には豚肉を使いますが、豚肉にはタンパク質とビタミンB群が豊富に含まれています。糖質はご飯から補うことができます。

 

スタミナ丼にはニンニクを使いますが、ニンニクの香りのもとである「アリシン」という栄養素には、ビタミンB1の吸収を促進させる働きもあります。

 

豚肉は少し脂が多いので、しっかり焼いて脂を落としてから食べると脂質の摂取量を抑えながらタンパク質と糖質、ビタミンB群を摂取することができます。

 

 

肉じゃが

 

肉じゃがは、タンパク質も摂取できて糖質もしっかり摂取することができます。

 

タンパク質はお肉から、糖質はじゃがいもから摂取することができます。ビタミンB群はお肉に多く含まれていますし、玉ねぎやにんじんなどの野菜にも含まれています。

 

肉じゃがのうれしいところは、作り置きができることです。筋トレ前は準備などで忙しいかもしれませんが、作り置きしておけば温めるだけでしっかり糖質など必要な栄養素をしっかり摂取することができます。

 

 

卵かけごはん

 

卵には、ビタミンCと食物繊維以外の多くの栄養素が豊富に含まれています。

 

卵1個にはタンパク質が7g含まれています。ビタミンB群も多く含まれていますし、筋肉の合成を促進してくれるビタミンDも多く含まれています。ご飯で糖質もしっかり摂取できます。

 

卵かけごはんは筋トレ前でも簡単に作ることができ、しっかりエネルギーを補給することができます。

 

さらにだし醤油やゴマ油などを使うと味を変えて楽しむことができるのでとてもオススメです。

 

 

筋トレ前の食事は超重要!

 

筋トレ前にはしっかり体を動かせるように、エネルギー源となる栄養素である糖質をしっかり摂取しておくべきです。

 

その他に、糖質やタンパク質の代謝に関わるビタミンB群の摂取も重要です。

 

トレーニング後の食事にフォーカスを当てる方も多いですが、トレーニングの効果を最大限に引き上げるためにはトレーニング前の食事もとても重要です。

 

トレーニング前の食事も少し意識してみてください!

 

 

 

 

 

参考文献

Krings BM, Rountree JA, McAllister MJ, Cummings PM, Peterson TJ, Fountain BJ, and Smith JW (2016) Effects of acute carbohydrate ingestion on anaerobic exercise performance. J Int Sci Sports Nutr. 13, 40, doi 10.1186/s12970-016-0152-9.

Rasmussen BB, Tiption KD, Miller SL, Wolf SE, and Wolfe RR (2000) An oral essential amino acid-carbohydrate supplement enhances muscle protein anabolism after resistance exercise. J Appl Physiol, 88, 386-392.

Lang CH, Frost RA, Deshpande N, Kumar V, Vary TC, Jefferson LS, and Kimball SR (2003) Alcohol impairs leucine-mediated phosphorlation of 4E-BP, S6K1, eIF4G, and mTOR in skeletal muscle. Am J Physiol Endocrinol Metab, 285, 6, 1205-1215.

 

 

 

 

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